Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こいのでんしちろう

恋の伝七郎

山本 周五郎

Lisez 恋の伝七郎 (こいのでんしちろう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 650 caractères · 60 écrans

Aozora Bunko

高峰の花も取れば取れるもの

雀の涙ほどのもので、酒を呑むなどいうことは夢にも及ばない、よほど呑みたいときには忠太郎の所へゆくか、庄兵衛にねだるかするより仕方がないのである。「福山藩十万石の中老の伜に、叩き大工の振舞酒を呑ませればさぞ名誉だろう」などと肚の中で父親に悪態をつくが、面と向っては眼もあげられないのだ、「そっちがそういう積りなら、こっちもそういうことになってやる、へん、おれにだって一分や五厘の意地はあるんだ」そんな風にいきまいてみるけれど、そして自分ではいっぱしひねくれる積りなのだが、生得というものはどうしようもなく、彼は依然として気の小さい、ばか正直な、善良すぎるほど善良な伝七郎でしかなかった。……鍛冶屋町の路次の入口で、彼は袂の紙包の中を検べてみた、そして思ったより多分に入っていたのだろう、思わずにやにやと笑いながら、元気に路次へ入っていった。ところが忠太はいなかった、隣りの女が、「忠さんは仕事ですよ」と教えてくれた、その筈である、彼はがっかりして路次を出たが、とたんに向うから村松銀之丞とばったり顔を見合せた。

高峰の花も取れば取れるもの

伝七郎は、初め化かされた