Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きょうふのくちぶえ

恐怖の口笛

海野 十三

Lisez 恐怖の口笛 (きょうふのくちぶえ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 60 713 caractères · 122 écrans

Aozora Bunko

断片だけでは分らなかった。

「これ、何ですか。とにかく、わたくしのでは有りません」

ポントスは腑に落ちぬ顔をして、紙片を青竜王に返した。

「もう一つ、お尋ねしますが、赤星ジュリアは昨夜ここへ来たのが始めてですか」

「いえ、たびたび来て、歌わせました。もう七、八回も頼みました」

「たいへん御贔屓のようですね」

「そうです。ジュリア歌う――お客さま悦びます。わたくしも悦びます。なかなかよい金儲けできますから、はッはッはッ」

ポントスは露骨な笑いを残して出てゆくと、大江山捜査課長は青竜王の腕をムズと捉えた。

「いまの建築図のようなものを出し給え。君はそれを何時の間にどこから手に入れたんだい」

青竜王は課長の手を静かに払いながら、

「これですか。これを御存知なかったんですネ。なアに、痣蟹の裂けた洋服の裏に縫いつけてあったんですよ」と事もなげに云うと、その紙片を恭しく差し出しながら「では確かに貴方様にお手渡しいたしますよ」

不可解なる紙片! 一体それはいかなる秘密を物語るものであろうか。

消えた屍体

何のためか十日間あまり、事務所を留守にしていた青竜王は、キャバレー・エトワール事件の次の日の昼ごろ、ブラリと探偵事務所に姿を現わしたのだった。