Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きょうふのくちぶえ

恐怖の口笛

海野 十三

Lisez 恐怖の口笛 (きょうふのくちぶえ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 60 713 caractères · 122 écrans

Aozora Bunko

それから五分間――二人は鮑のように固くなって、教壇の陰に潜んでいた。もうよかろうというので恐る恐る頭をあげて窓の方をみると、窓は明け放しになったままで、もう怪漢の姿がなかった。ホッと息をついた蝋山教授は、このとき眼を解剖台の上に移して愕然とした。

「やられたッ。――屍体がなくなっている!」

なるほど、解剖台の上には屍体の覆布があるばかりで、さっきまで有った筈の屍体が影も形もなくなっていた。

「彼奴が盗んでいったんですよ、ホラ御覧なさい」と一郎は床の上を指しながら「屍体を曳擦っていった跡が窓のところまでついていますよ。屍体を窓から抛りだして置いて、それから彼奴が窓を乗越えて逃げたんです」

「うん、違いない。早く追い駆けてくれたまえ」

「もう駄目ですよ。逃げてしまって……」

「何を云っているんだ。君の弟の屍体なんじゃないか」

「追いついても、ピストルで撃たれるのが落ちですよ。それよりも警視庁へ電話をかけましょう」

「君のような弱虫の若者には始めて会ったよ。駄目な奴だ」

教授はいつまでもブツブツ怒っていた。

昼間丸ノ内を徘徊していた痣蟹が、深更になってなぜ屍体を盗んでいったのだろう。