Classiques japonais avec furigana
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きょうぞうのちち
恭三の父
加能 作次郎
Lisez 恭三の父 (きょうぞうのちち) de 加能 作次郎 (かのうさくじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 742 caractères · 20 écrans
」
浅七は炉の中から松葉を二三本取って揃えたり爪で切ったりしながら言った。
「宜い加減に帰りゃいゝのやれど、ほんとね飲んだと来たら我身知らずで困るとこ、……さあ、待っとらんとお前たちゃ先に飯をすまいたらよかろう。いつ帰るやら分らんもの。」と母親はお膳を出しかけた。
「まあもう暫く待って見ましょう。」と恭三は言って、煙にむせて二三度咳をした。
「六平の者共は帰ったかいね。」と浅七が尋ねた。
「六平もまだや、さき方嚊さ迎に行ったれどどっちも帰らんわいの。子供を仰山連れとるさかいに大丈夫やろうけれど、あんまり遅いさかいまた子供を放っといて飲んで歩くのやないかちゅうて心配しながら行った。」
「あの六平の禿罐も飲助やさかいのう。此前もほら酒見祭を見ね行った時ね、お前様、あの常坊を首馬に載せたなりに田圃の中へきせ転がったぞかい。」と浅七は恭三に向って話した。
こんな話をして居る時、外から「御馳走がありますか。」と言って這入って来たものがあった。
「誰様や?」と恭三の母は伸び上つて庭の方を見た。
「おれ様や! おやまア、こりゃ何ちゅう煙たいこっちゃいの、咽喉ア塞って了うがいの。