Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あくいんねんのうらみ

悪因縁の怨

江見 水蔭

Lisez 悪因縁の怨 (あくいんねんのうらみ) de 江見 水蔭 (えみすいいん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 705 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

その帆の破れ目から、梶座にいる娘の顔を、ただ一心に凝視めていた。

宗匠が持込んだ梨の実と空瓢箪とが、船のゆれに連れてゴロゴロ転がって、鉢合せをするのを、誰も気が着かなかった。

だが、帆の破れ目からチラチラ見るくらいでは物足りぬ。傍近く見もし又語りもしたいので。

「宗匠、この胴の間は乗心地は好いに違いないが、西日が当ってイケない。同じくは艫の方へ移って帆を自然と日避けにしたいものだが」と若殿は云い出した。

「なる程、それが宜しゅう御座いましょう。さアこちらへ……こうなると市助どん、お前は邪魔だから、舳の方へ行っていなさい」

中間こそ好い面の皮。

「ねえ、御前、故人の句に御座いますね。涼しさや帆に船頭の散らし髪。これはしかし、千石船か何かで、野郎の船頭を詠んだので御座いましょうが、川船の女船頭が、梶座に腰を掛けているのに、後から風が吹いて、アレあの様に乱れ毛が頬に掛るところは、なんとも云えませんな。そこで、涼しさや頬に女船頭の乱れ髪。はははは字余りや字足らずは、きっと後世に流行りますぜ」

相変らず宗匠、駄弁を弄している間に、酔が好い心持に廻ったと見えて、コクリコクリ。