Classiques japonais avec furigana
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あくじゅうへん
悪獣篇
泉 鏡花
Lisez 悪獣篇 (あくじゅうへん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 715 caractères · 73 écrans
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白衣のが一番上に、水色のその肩が、水紅色のより少し高く、一段下に二人並んで、指を組んだり、裳を投げたり、胸を軽くそらしたり、時々楽しそうに笑ったり、話声は聞えなかったが、さものんきらしく、おもしろそうに遊んでいる。
それをまたその人々の飼犬らしい、毛色のいい、猟虎のような茶色の洋犬の、口の長い、耳の大きなのが、浪際を放れて、巌の根に控えて見ていた。
まあ、こんな人たちもあるに、あの婆さんを妖物か何ぞのように、こうまで恐がるのも、と恥かしくもあれば、またそんな人たちが居る世の中に、と頼母しく。……
と、浦子は蚊帳に震えながら思い続けた。
十四
ざんぶと浪に黒く飛んで、螺線を描く白い水脚、泳ぎ出したのはその洋犬で。
来るのは何ものだか、見届けるつもりであったろう。
長い犬の鼻づらが、水を出て浮いたむこうへ、銑さんが艪をおしておいでだった。
うしろの小松原の中から、のそのそと人が来たのに、ぎょっとしたが、それは石屋の親方で。
草履ばきでも濡れさせまいと、船がそこった間だけ、負ってくれて、乗ると漕ぎ出すのを、水にまだ、足を浸したまま、鷭のような姿で立って、腰のふたつ提げの煙草入を抜いて、煙管と一所に手に持って、火皿をうつむけにして吹きながら、確かなもんだ確かなもんだと、銑さんの艪を誉めていた。