Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かなしいごかい

悲しい誤解

豊島 与志雄

Lisez 悲しい誤解 (かなしいごかい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 139 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

かすかな笑い声も時々するが、それだって、退屈しきってる笑い方だ。

不思議な会社である。統計だとか、商事だとか、製作だとか、別々の会社になっているが、同じビルの中に雑居していて、大元は一つのものだ。代理販売部までもある。進駐軍関係の委託の仕事が、最近先方に接収されてしまったので、人員はだぶついている。午の休憩時間は、二時頃までだらだらと延びる。それもまた却って、こういうオフィスでは退屈の種だ。

タイプの音が一番先に初まる。窓際に頬杖をついて、そのがちゃがちゃした音を聞いていると、私はふと、千葉に住んでる姉のことを思い出した。いつか訪れた時、姉は忙がしくミシンを踏んでいた。今年から小学校にあがった男の子があるのだ。その姉の癖まで、まざまざと見えてきた。

「敏夫さん、どう、お元気?」

口許に大きな然しかすかな笑みを浮かべて、じっと私の方に眼を注ぐのである。

瞼に浮かぶそういう姉の姿を、今、眺めてみると、しみじみと胸にこたえるものがあって、なにか淋しく頼りないものに思われるのだ。主人は学者であるが、特別な著述もなくて貧しく、これから先、どういう風に暮してゆくのであろうか。