Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じょうき
情鬼
大倉 燁子
Lisez 情鬼 (じょうき) de 大倉 燁子 (おおくらてるこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 393 caractères · 35 écrans
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日記は日本語と仏国語と半々位に書かれてあった。夫人を失った悲しみが胸を打つらしく、至る処に悲痛な歎きが見出される。ある時は夫人の後を追うて、死を切望するらしい文字もあった。私は小田切さんを知っているだけに、彼の心中を思って涙ぐましい気持になった。過去の古疵から何を探り出そうとするのだろうか、夫人の冷めたい態度に思わず軽い反感をいだいた。この上死者の心を傷けたくない、汚したくない。しかしそんな気持などにはまるで頓着なく夫人はノートを久子さんに返しながら云うのだった。
「おついでにアドレッス・ブックも拝見出来ないでしょうか?」
久子さんはまた立ってアドレッス・ブックを持って来た。
夫人は頻りにページを繰って何か探し求めている容子だったが、軈て見つかったものと見えて、自分の手帖を出して書き留めていた。私は何気なく覗き込んでみると、それは吉岡五郎という人の宿所であった。
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「吉岡五郎さんと仰しゃる方は?」
夫人は自分の手帖を納めながら久子さんに訊いた。
「吉岡さんは兄の秘書官でしたの」
そう云って、何故か久子さんはちょっと顔を赤くした。
「秘書官? と仰しゃるとやはり外務省の方でございますね?」