Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せきべつ
惜別
Lisez 惜別 (せきべつ) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 984 caractères · 178 écrans
しかし、父の霊魂を引きとめる事が出来なかったと見えて、父は自分に呼びつづけられながら、冷たくなった。父は三十七歳、自分は十六歳の初秋の事である。自分は今でもあの時の自分の声を記憶している。忘れる事が出来ない。あの時の自分の声を思い出すと、自分は抑え切れない激怒を感ずる。自分の少年の頃の無智に対する腹立たしさでもあり、また支那の現状に対する大きい忿懣でもある。三年霜に打れた甘蔗、原配の蟋蟀、敗鼓皮丸、そんなものはなんだ。悪辣なる詐欺と言ってよかろう。また、瀕死の病人の魂を大声で呼びとめるというのも、恥かしいみじめな思想だ。さらにまた、医は能く病いを癒すも、命を癒す能わず、とは何という暴論だ。恐るべき鉄面皮の遁辞に過ぎないではないか。舌は心の霊苗なり、とはどんな聖人君子の言葉か知らないが、何の事やらわけがわからぬ。完全な死語である。見るべし、支那の君子の言葉もいまは、詐欺師の韜晦の利器として使用されているではないか。自分たちは幼少の頃から、ただもう聖賢の言葉ばかりを暗誦させられて育って来たが、この東洋の誇りの所謂「古人の言」は、既に社交の詭辞に堕し、憎むべき偽善と愚かな迷信とのみを醸させて、その思想の発生当初の面目をいつのまにやら全く喪失してしまっているのだ。