Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんじのあと

惨事のあと

素木 しづ

Lisez 惨事のあと (さんじのあと) de 素木 しづ (しらきしづ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 258 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

夜中ごみ焼をしている人だちは、火影に顔をまっかに染めながら、長いレーキ(ごみさらい)で、火をつゝいたりごみをくべたりしていた。こんな所へ通りかゝると、楯井さんは、

『お晩は、』と云った。(『今晩は』の意である)すると彼方でも、

『こんなに遅くどこさ行きなさるかね。』

と、きっと聞いた。彼等には、夜にかけてすた/\と一人で歩いている彼が不思議に思われたのであった。楯井さんは、そう聞かれるといつも不意を喰ったように、返事のしように困った、

『新開地の山崎の家に、非常なことが出来てこれからそこさ行くんです。』

と、ようやく答えると、そのまゝ彼は通りすぎた。楯井さんは、内気な方ではあるけれども、度胸のすわった人である。そして日清戦争の時従軍したということで、どことなく落著いたような様子をしていた。

楯井さんが、新開地へようやく著いたのは夜も九時近かかった。それに山崎の家のある所へ出るには、どうしても手塩川を渡らなければならないので、河彼方にある渡船場の人を呼ぶには、よほど大きな声を出さなければならなかった、それに手塩川はこの辺に来てかなり河幅を増していた。彼は河岸の樹にぶらさげてある合図の木を、ガタン/\と力をこめて一心にたゝいたり、また時々は手をやすめて、オーイ/\、と呼んだりした。