Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あいしょへき

愛書癖

辰野 隆

Lisez 愛書癖 (あいしょへき) de 辰野 隆 (たつのゆたか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 404 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

「書籍を好まず、書籍を信ぜざる輩の死こそ実に犬死なれ」というのは確かに中世紀の格言だと記憶している。然るに時代の進むに従って、書物の数は殖える一方で、殊に印刷術の発明以後の殖え方が著しく目立って来た。そこで、如何に本好きでも、読み切れなくなり、蒐め切れなくなる。だから諦めるかと思うと、決して諦めない。一層読まずに、蒐めるだけにして見ようかなどという断然二兎を追わざる篤志家が出て来るのは自然の数である。然し斯る篤志家に無闇に書物を買占められると、読む方の愛書家は往々迷惑する。で、つい蒐集家の悪口も言って見たくなる。『人の性』という名著を遺した十七世紀フランスのラ・ブリュイエールは或時、知名の蔵書家の書庫を見て、金文字背皮の書冊が何万という程書架に陳べてあるのが一寸癪にさわったらしい。「此の好書家の書庫と称する鞣皮の物置」などと憎まれ口をたたいている。悪口では人に負けを取らぬヴォルテールも、次の世紀に於て、「書物も人間と同じで、群の中から選択する他はあるまい」と、『チェリオに与うるの書』の中に記した。同じく十八世紀で、百科全書編纂者として名高いダランベールも、ヴォルテールに劣らぬ人の悪い男であるが、彼の百科全書第二巻、愛書狂の頁には斯んな事が書いてある。