Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Lisez 我が家の楽園 (わがやのらくえん) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 90 195 caractères · 175 écrans
バラック仕立ての貧乏暮らしが身についてから、もう六年になり、見かけより充実した内容で、毎日、楽しくやっていた。ここまでくれば、もう下りようはないだろうという安心から、こういうのどかな生活が、死ぬまでつづくような暢気な気持になっていたのである。
うちの石田氏は、九万吉という名が証明するように、懐手で数表やグラフをながめ、大量観察による推理統計で、大局から物事を判断するといった能力をもっていない。何事も、計算尺と鉛筆をつかってコツコツやらなければ気がすまず、ネクタイの結び目がちょっと歪んでいても、それが気になって、汗をかくといったぐあいだったが、この楽園に住むようになってからは、自他にたいして、寛大な態度をとるようになり、細紐一本の長女さまが、縁側にすえた七輪を桃尻になってあおいでいるのを、古褞袍の重ね着で、踵の皮をむしりながら、平気でながめていられるところまで進歩した。
最近の一年は、それがひどく内攻して、一生の進退を決する高級官吏試験さえ、いっこうにおどろかず、地下鉄銀座の入口で、『官吏試験集』というあやしげな虎の巻を買ってきて、居睡りをしながら読んでいたが、はたして見事に落第した。