Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Lisez 我が家の楽園 (わがやのらくえん) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 90 195 caractères · 175 écrans
先代は、えらく様子ぶって、ミスタ石田だの、ミシズ石田だのと、いちいち筋目をたてるうるさいやつだったが、こんどのは、気味が悪いくらい人馴れしていて、石田氏のことをパプさん、賢夫人のことをマムさん、五十雄君をジュニアさん、千々子さまと百々子をひとまとめにして、シスターさんと呼ぶ。機嫌のいいときは、三十二枚の歯を、そっくり見せて馬鹿笑いをし、気にさわることがあると、胸を叩いて、
「ヘイ・ユウ、これでも横浜ッ子だい。見損なうなよ」
などと啖呵をきる。
石田家の一家五人は、先代のメードにこづきまわされ、骨身に沁みるような、苦い経験を舐めたはずだったが、性懲りもなく、代変りを入れるところから推すと、賢夫人も千々子さまも、ハークネスのことをあきらめられず、苦しいなかで受入れの態勢を整え、いつともあてのない訪問を、辛抱強く待つ気でいるらしい。
ヘンリ清水にたずねると、明日あたり、ハワイに着くはずだとか、着くところだとか、とりとめのないことを口走り、そのすえ、切羽詰って逆上し、朝鮮で戦死したのかもしれない、などとヤケのようなことをいい、賢夫人に問い詰められるのを恐れて、この十日ほど、チラとも姿を見せなかったが、八月はじめの蒸暑い午後、癇をたてたようすで、汗を拭き拭き、とびこんできた。