Classiques japonais avec furigana
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「あるおんな」についてのノート
「或る女」についてのノート
宮本 百合子
Lisez 「或る女」についてのノート (「あるおんな」についてのノート) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 281 caractères · 13 écrans
」といっている。その「人生の可能」の一つとして定子に対する葉子の曇りない愛情を押したてているのであろうか。
作者は性は善なりという愛の感情を人間の全般に対して抱こうとした人であった。それ故葉子の定子に対する愛をもあのように描いたのであったろう。しかし今日の眼で真に人生の可能を探ろうとすれば、却って軽蔑を押えられない木部の俤を伝えている定子に対する自身の女として堪え難い苦しい感情、子供には告げることの出来ない複雑な愛憎の陰翳を勇気をもって突きつめて自身に究明することによって、葉子の人生には苦悩を通しての新たな可能性が見出されたのであったろうと思われる。
直接「或る女」には関係ないことであるが、書簡集の中に、ある親密な若い女の人に宛てて作者が送った手紙がある。こう書かれている。「とにかく張りのあるあなたにお会いするのが気持がよい。(中略)張り……それはあなたの身上です。ピンと来るようなところが全く気持がいい。あれであなたから都会人の感傷性とをマイナスすれば当然ソシアリストになる人柄です……と云うと胸が悪くなりますか。」
女の掠があった時代の書簡であるから、胸が悪くなる云々の言葉は今日にあっては、その時代の背景の前に解釈されなければなるまい。