Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Lisez 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 113 554 caractères · 228 écrans

Aozora Bunko

私は表の「君」という相対語の意味がだんだん解りかけていた。それに一方嫉妬をかんじながらも、私は何かしら彼が懐しかった。別に彼が「女を紹介する」と言っても、紹介しもしなかったが、そのもの柔らかな言葉や、詩の話などが出るごとに、あの悪魔的な大胆な男が、よくもこうまで優しい情熱をもっているかと思うほど、初初しいところがあった。それに詩作では全く天才肌で、何でもぐんぐん書いて行った。(数年後私は上京したときK・K氏が表は全く驚異すべき天才をもっていたということを聞いた。)

彼は子供のときから印刷工場に勤めていたといわれていたが、私と知るようになってから、もう何処へも勤めに出てはいなかった。彼は私と同じように毎日机にむかって、姉に保護されていた。

寺のことはたいがい父がしていた。本堂に八基の金燈籠、観音の四燈、そのほか客間、茶室、記帳場――総て十二室の各座敷の仏画や仏像の前には、みな燈明がともされていた。それらは、よちよちと油壺と燈心草とをのせた三宝を持った父が、朝と夕との二度に、しずかな足袋ずれを畳の上に立てながら点して歩くのであった。寺へ来る人人は、よく父の道楽が、御燈明を上げることだなどと言っていた。