Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あるおとこのしゅき
或る男の手記
豊島 与志雄
Lisez 或る男の手記 (あるおとこのしゅき) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 279 caractères · 86 écrans
そして全体としては、彼女は次第に攻撃的になって嵩にかかってき、私は次第に受太刀になって詭弁を弄したが、それも結局二人の間を益々乖離させるばかりだった。彼女は私の云うことを真正面から受け容れはしなかったし、私は彼女の問に卒直な答をすることが出来なかった。その上彼女も私に対して卒直な口の利き方をしなかった。殊に河野さんの家でどんなことが起ったかについては、初めから一度もはっきりしたことを話さなかった。私は後で彼女の言葉を綜合して、大凡次のようなことを知ったばかりである。
俊子が俥で乗りつけた時、河野さんはまだ晩酌をやっていた。で彼女は一寸挨拶をしておいて、光子に別室へ来て貰った。そして松本がやって来た転末からその希望などを話して、光子の心を聞きに来た由を告げた。所が光子は顔を伏せたまま、初めから一言も口を利かなかった。いくら尋ねても「石のように押黙って」いた。そしてしまいには、河野さんに話して下さいとただそれだけ云った。俊子は仕方なしに河野さんへ相談した。そして松本と光子との恋愛だけを話したが、話はそればかりじゃあるまいと河野さんに突っこまれて、遠廻しに事情を匂わした。