Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おうぎの
扇野
山本 周五郎
Lisez 扇野 (おうぎの) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 727 caractères · 67 écrans
「ばかなはなしだ、小娘かなんぞじゃあるまいし」栄三郎は顔をそむけながら云った、「そんなことをしていると旦那をしくじるじゃないか」
「旦那ですって、――つうちゃんにですか」
おさとが訝しそうな声をだしたので、冗談のつもりで云った栄三郎のほうが不審になった。
「そうさ」と彼はおさとを見た、「旦那がいるし子供もあるんだろう」
「まあいやだ」おさとは声をあげた、「つうちゃんは先生にまでそんなことを云ったんですか、まあ呆れた」
「そうじゃなかったのか」
「そうじゃありませんとも」とおさとは怒ったような調子になった、「世話をしようとか落籍せようっていうお客さまが多くて、あんまりうるさいからそういうことにしてあるんです、旦那どころですか、あの人はまだ男の肌も知ってはいないんですよ」
栄三郎は頭の中で火花が散ったように思った。ぱっと明るく火花が散り、(その閃光で)それまで見えなかったものが、まざまざと見えたように感じられた。
「しかし、――」と彼は口ごもった、「あれはもう二十五か六になるんだろう」
「だから旦那があるといってもとおるんじゃありませんか、それに、そんなことは年とは関係がないし、つうちゃんのことならおかみさんもあたしもよく知っていますわ、――来て下さるんでしょう」