Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
てがみ
手紙
久生 十蘭
Lisez 手紙 (てがみ) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 158 caractères · 30 écrans
そのへんの海岸は、コンモリと榕樹の繁った高い崖つづきで、陸にはサゴもワラビもなく、水にも、食べるものにも、困るようになりました。村上さんはだんだんものをいわぬようになり、毎日一度、海の水を汲んでマンデーをするにも、ビクビクせねばならぬようになりました。私は村上さんの忠実なジョンゴスで、村上さんのことだけが、私の考えることのすべてなのでありますけれども、村上さんはすこしも私に笑いません。たとえ、この航海がどんなに辛く苦しくても、村上さんさえ機嫌をよくいたされたら、苦しくも辛くも思われなかったでありましょう。毎日、おなじような岸、おなじような海、あとまだ何十日か、長い航海がありますのに、狭い舟の中で、村上さんの機嫌のわるい顔を見るので、私は勇気も、ほとんど尽きるかと思いました。しかし、こんな長い、面白くない航海を、楽しいと思うひとは居りません。私は子供のときから、こういう航海に馴れていますけれども、村上さんに私と同じようなことを望むのは無理だと思って、がまんしました。いっそのこと、ひどい嵐でも吹いてくれればいい。なにか変ったこと、サウシテそれが村上さんの気持をまぎらすものであれば、どんな辛いことでもよいと、そんなことまでねがうようになりました。