Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

てがみ

手紙

久生 十蘭

Lisez 手紙 (てがみ) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 158 caractères · 30 écrans

Aozora Bunko

といいながら、門から入って来られるようでなりません。

私はサイフォンでコッピーをこしらえ、ヴェランダの床にすわって村上さんを待っていました。夜になり、月が出て、裏のアダンの林で鸚鵡がボボボーと鳴きましても、村上さんは帰ってはこられませんでした。

マリハツ・シロウは村上さんのジョンゴス(僕)をしていた二年の間、夜は二時間、昼は炊事場の日蔭で十分ばかり眠り、村上さんに喜ばれたいために、つとめました。寝ている夢の中でも、村上さんの用をつとめ、びっくりして飛び起きることがありました。私は村上さんの忠実なジョンゴスでありました。

村上さんは、いつも黙っているひと、厳格なひとでした。インドネシアは喜ばしいときには笑い、悲しいときには泣きます。日本人は悲しいときには笑い、嬉しいときには怒ります。インドネシアは、それを理解することができません。長い間、私もそうでした。村上さんのやさしい心を知ったのは、死なれてから十日もあと、村上さんのお骨を入れた骨壺を、舟の檣のてっぺんに結びつけ、一人、月の光に照らされ、海豚と話しながら、アラフラ海を漂っているそのときでした。