Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
Lisez 播州平野 (ばんしゅうへいや) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 683 caractères · 214 écrans
「どちらの? 富井の? それとも石田?」
「石田さんのハンコ」
来たのは書留速達であった。石田の母から来ている。立ったまま、ひろ子は封を切った。母は型どおりの時候の挨拶をのべ、秋めきましたが、とひろ子の安否をたずねている。
読んで行って、ひろ子は、思わず一二歩体を動かした。誰かに訴えようとするように、少し口をあいて顔をもたげた。広島で重吉の弟の直次が生死不明となっているのであった。
直次は、三度目の応召で広島に入隊した。それは、七月中旬のことであった。只今となれば、いずれ内地勤務のことと存じ、という母の手紙を、ひろ子も同じかすかな安堵でよろこんで読んだ。八月四日に直次は休暇で帰って来た。そして、五日の夕刻、いそいで隊へ戻った、六日の朝、丁度朝食の時間に、広島の未曾有の爆撃があった。
営内のトラックに三日後までいるのを見たという者があるが、詳しくは何一つ分らない。絶望としか思えませんが、せめては死に場所なりと知りたくて。――
汗ばんでいたひろ子の体が、小刻みに顫えた。二番目の弟の進三はもう四年南方に出征したままである。四つと二つの男の児をもつ直次の妻の、つや子の卵形の若々しい顔と古風な眼ざしが迫って来て、ひろ子はますます息苦しくなった。