Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Lisez 支倉事件 (はせくらじけん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 204 697 caractères · 406 écrans
「支倉さんも坊ちゃんに会いたがっていましたよ」
「――――」
静子は黙ってうつむいた。涙がにじみ出て来た。子供に会いたいのは彼女とても同じ事、一時も早く親子三人団欒して、昔の平和な生活に帰りたかった。もしや子供が今頃父母を慕って泣いていはせぬかと思うと、落着いた気はなかった。一時の心得違いから家を外に隠れ廻っている夫が恨めしかった。彼女はどうして夫が逃げ隠れをして、自分に家作を譲ったりする事を急ぐのか、よく分らないのだった。
静子は顔を上げた。睫にキラ/\と小さい露が宿っていた。
「何でございましょうか、夫は之で警察へ出頭いたしますでしょうか」
「さあ、分りませんね」
浅田は意地の悪い笑を浮べながら、
「まあ自首なんかなさるまいよ。誰でも刑務所へ這入るなどは感心しませんからね」
「あの」
静子は顔色を変えた。
「じゃ、矢張り罪になるような事をしたんでございますか」
「さあ」
浅田は困ったと云う表情をしながら、
「まあそうでしょうね」
「どんな事をしたんでございましょう」
「奥さんご存じないのですか」
「聖書の事でございましたら」
静子は云い悪くそうに、
「あれは決して盗んだのではない。