Classiques japonais avec furigana
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Lisez 支倉事件 (はせくらじけん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 204 697 caractères · 406 écrans
頬骨は高く出て、見るから頑丈そうな身体、それに生れつきの大音の奥州弁でまくし立てる所は、彼のいかつい毬栗頭と相俟って、さながら画に描いた叡山の悪僧を目のあたり見るようだった。彼を知っている人は殆ど口を揃えて第一印象がどうしても悪人としか思えなかったと云う。
尤も醜怪な悪相をしていたからと云って、心まで悪人だとは極っていない。史記の仲尼弟子列伝中に孔子が、「吾言を以て人を取り之を宰予に失う。貌を以て人を取り之を子羽に失う」と云っている。宰予と云うのは論語にもある通り昼寝をして孔子に叱られた人で、弁舌利口だったが人間は小人だった。そこで孔子が弁舌に迷わされて一時胡麻化されたのを後悔した言葉だ。子羽と云うのは本名を澹台滅明と云って容貌が頗る醜怪だったので、孔子も私かに排斥して弟子とするのを喜ばなかった。所がこの人は頗る立派な人で、後に弟子の三百人も取って、其名を諸侯に知られるようになった。そこで孔子が容貌で人を判断して誤った事を後悔して、宰予の場合と並べて弟子達を戒められたのだ。尤も之には異説があって、孔子家語によると、子羽は容貌頗る君子然としていたが、心は駄目だった。