Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

Lisez 支倉事件 (はせくらじけん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 204 697 caractères · 406 écrans

Aozora Bunko

らしいな、あゝ、写真館だ、さては松下一郎と云う奴は写真館にいるのだ。何写真館かしら。あゝ、たしかに『内』と云う字は読めるのだが、山内かしら大内かしら、うむ、『本』『川』『町』『内』写真館、あゝ、どうかしてもう少し読めないかな」

岸本がいら/\しながら吸取紙を眺めていると、下でお篠の呼ぶ声がした。

「岸本さん、岸本さーん」

「ちょっ困るな」

岸本は地団駄を踏んで、吸取紙を横睥みに睨んで、おかみの呼ぶ声に気を取られながら、腹立たしそうに呟いた。

「岸本さん」

お篠はそう呼びながらミシ/\音をさせて二階に上って来た様子。岸本は残念ながらつと机の傍を離れて梯子段の口許に近寄った。

「何ですか、おかみさん」

「何をしてるの、岸本さん」

「別に何にも」

「そう」

漸く上りついたおかみは岸本の顔を見上げながら、

「主人が何か云ったかい」

「いゝえ、何にも」

「そう。そんなら好いけれど」

「何ですか、おかみさん。先生は少し可笑しいですぜ」

「どうして?」

「どうしてたって、秘密に手紙をやりとりして居られますぜ」

「本当かい」

「本当ですとも、松下一郎って男名前で来るんですけれども、返辞はきっと先生自身でポストへ投げ込まれるのですよ。