Classiques japonais avec furigana
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きられたさに
斬られたさに
夢野 久作
Lisez 斬られたさに (きられたさに) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 352 caractères · 41 écrans
、迂濶な咎め立てをしようものなら却って無調法な仇討免状が表沙汰になろうやら知れぬ。思えば平馬殿は都合のよい『生き胴』に取り当ったものじゃのう。ハッハッハッ……」
酌をしていた奥方が、心から感心したように平馬の顔を見てうなずいた。
「……あれからこの四五日と申しますもの、御城下では平馬殿のお噂ばっかり……」
「うむうむ。そうあろうとも……イヤ。天晴で御座ったぞ平馬殿。あの時に、どう処置をされるおつもりかと聞いたのはここの事じゃったが……ハッハッ。よう見定めが附いたのう。佐五郎殿。そうは思われぬか……」
「御意に御座います。先生様の御丹精といい、その場を立たせぬ御決断とお手の中……拝見致しながら夢のように存じました」
「うむうむ。然るにじゃ。あの女の正体を平馬殿の物語りの中から見破って来た、佐五郎老体の眼鏡の高さも亦、中々もって尋常でないわい。実はその手柄話を聞きたいが精神で、平馬殿に申し含めて、斯様に引止めさせた訳じゃが……門弟共の心掛にもなるでのう」
「身に余りまするお言葉、勿体のう存じまする。幅広う申上げまする面目も御座りませぬが、初めて石月様のお物語を承っておりますうちにアラカタ五つの不審が起りました」