Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だんがいのさっかく

断崖の錯覚

黒木 舜平

Lisez 断崖の錯覚 (だんがいのさっかく) de 黒木 舜平 (くろきしゅんぺい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 483 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

「よせ、よせ。恥かしいよ。」

酔った女をつれて、夜おそく宿の門をたたいたとあれば、だいいち新進作家としての名誉はどうなる、死んでもそのようなさもしいことはできない。

「おい、君、もう帰れよ。君は、いでゆに寝泊りしているんだろう? こんどは僕が送って行ってやるよ。帰れよ。あした、また遊ぼう。」

「私、いや。」雪は、からだをはげしくゆすぶった。「いや、いや。」

「困るよ。じゃ、ふたりで野宿でもしようと言うのか。困るよ。僕は、宿のものへ恥かしいよ。」

「ああ、いいことがあるわ。おいでよ。」

雪は手をぴしゃと拍って、そう言ってから、私の着物の袖をつかまえ、ひきずるようにしてぱたぱた歩きだした。

「なんだ、どうしたんだ。」

私もよろよろしながら、それでも雪について歩いた。

「いいことがあるの。でも恥かしいわ。あのね、百花楼ではね、ときどきお客が女のひとを連れこむのに、いやよ、笑っちゃ。」

「笑ってやしないよ。」

「そんな入口があるのよ。ええ、秘密よ。湯殿のとこからはいるの。それは、宿でも知らぬふりしているの。私、でも、話に聞いただけよ。ほんとのことは知らないわ。私、知らないことよ。