Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんじゅのことば
新樹の言葉
Lisez 新樹の言葉 (しんじゅのことば) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 156 caractères · 59 écrans
何を言ったか、どんなことをしたか、私は、ほとんど覚えていない。いちど御不浄に立った。幸吉が案内した。
「どこでも知っていやがる。」
「母は、御不浄を一ばん綺麗にお掃除していました。」幸吉は笑いながら、そう答えた。
そのことと、もう一つ。酔いつぶれて、そのまま寝ころんでいると、枕もとで、
「萩野さんは、とても似ているというんだけど。」少女の声である。妹がやって来たんだなと思ったゆえ、私は寝ながら、
「そうだ、そうだ。幸吉さんは、私とは他人だ。血のつながりなんか、無いんだ。乳のつながりだけなんだ。似ていて、たまるか。」そう言って、わざと大きく寝がえり打って、「私みたいな酒呑みは、だめだ。」
「そんなことない。」無邪気な少女の、懸命な声である。「私たち、うれしいのよ。しっかり、やって下さい、ね。あんまり、お酒のんじゃいけない。」
きつい語調が、乳母のつるの語調に、そっくりだったので、私は薄目あけて枕もとの少女をそっと見上げた。きちんと坐っていた。私の顔をじっと見ていたので、私の酔眼と、ちらと視線が合って、少女は、微笑した。夢のように、美しかった。お嫁に行く、あの夜のつるに酷似していたのである。