Classiques japonais avec furigana
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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
Lisez 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 129 076 caractères · 256 écrans
流行妓になるのも、よい姐さんになるのも、お披露目に出た時、女将の目にとまって、具合よく引っぱり廻され、運の綱を握るようにしむけてくれるからである。で、たいていな妓は、喜楽の女将の言うことに逆らわなかった。けれども、そのおりのお鯉は、とてもそうした威しでは駄目だと炯眼な女将は見てとった。
ある日女将は輪袈裟をかけ、手に数珠をかけて訪ねて来た。切髪となっていたお鯉は、越前永平寺禅師となって、つい先の日遷化された日置黙仙師について受戒し参禅していたが、女将もその悟道の友であった。ものものしくも、いしくも思いついた姿でやって来た女将は、
「今日は平日のあたしじゃあない。この姿を見て下さい。この袈裟の手前としても、いざこざなしに話をしましょう」
といった。それに答えたお鯉は、
「本当に女将さんよくその姿で来て下さった。それならば、あたしは貴女を、真に打解けてよい人だと思って、ほんとうにはなし好いわ。貴女だって、まさか、そうしてまで来てくださって、皆とおんなじようなことはおっしゃるまいから」
そういうと女将は変な顔をしてしまった。そして、これはしまったというように、