Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんていきららざか

新訂雲母阪

直木 三十五

Lisez 新訂雲母阪 (しんていきららざか) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 792 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

一

一

「本当にそうか。」

と、聞かれると、そうで無いとは云え無い。く、とは確に聞いたのだから、これは断言できる。然し次の、る、はそう云ったような、云わないような、何うも明かで無いが、自分が唯一の証人で大勢の中で、美しい寡婦の悄然としている前で

「くる、と確に聞いた。」

と、云った言葉を

「本当か。」

と、念を押されると、今更、いや一寸まってくれ、もう一度、耳に聞いてみるからとも云え無い。それに死人に口無し

「くる、と確に聞いた。」

と、断言したって、それは一寸良心が二三分間疑を挟んでみるだけで、お俊始め、列座の面々はきっと自分の手柄に感謝するにちがい無い。だから

「本当ですとも。」

と、云い切ってしまった。

「来馬では無かろうか。」

と、一人が一人にこっそり耳打した。そしてその一人は頷いた。

「君が、何んと声をかけた時に、くる、と云ったのだ。」

と、もし聞く人があったなら、来馬への懸疑はいくらか薄くなったかも知れぬが

「対手は? 手懸りは?」

とばかりしか考えていない若侍共に、そうした探偵法は気がつかなかった。そして、耳打から、小声になり、一番思慮の無い男が

「来馬で無いか。