Classiques japonais avec furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lisez 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 93 562 caractères · 179 écrans
どうやらまっぱだかの様子で、唇を紫にしてがたがた寒さにふるえている。
「坊やは、寒そうだな。」と客のひとりが、つい口をすべらしたら、内儀は坐ったまま子供のほうを振り返って見て、「着物を着るのがいやなんですって。妙な癖で、着物を着せてもすぐ脱いで、ああしてはだかで寝るんです。疳の虫のせいでしょうよ。」とさり気なく言ったが、坊やは泣き声を出して、
「うそだ、うそだ。坊は、さっき溝へ落ちて、着るものが無くなったから、こうして寝かされて、着物のかわくのを待っているのだ。」という。内儀も気丈な女ながら、ここに到ってこらえかね、人前もはばからず、泣き伏す。亭主は七輪の煙にむせんだ振りをして眼をこする。三人の客は途方に暮れ、無言で眼まぜして帰り仕度をはじめ、挨拶もそこそこに草履をつっかけて門口に出て、それから小声で囁き合い、三人の所持の金子全部、一歩金三十八、こまがね七十目ばかり取り集め、門口に捨てられてある小皿の上に積みかさね、足音を忍ばせて立ち去った。狭い露路から出て、三人一緒にほっと大きい溜息をついた途端に、
「ふざけた真似をするな!」と背後に利左の声、ぎょっとして振りむくと利左衛門は金子を載せた小皿を持ち息せき切って、「人の家へやって来て、お茶も飲まずに帰り、そのうえ、こんな犬の糞みたいなものを門口に捨てやがって、