Classiques japonais avec furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans
次ぎにはお寺に代って藤原氏が権力を握って荘園を増すと、後朱雀天皇は関白頼通に相談せられて荘園の解放をはかられる。次ぎには武士だ。これが専断を行うとまた民衆の味方となって、これを圧えられる。質屋と酒屋が武士に代って民衆の血を絞り始めると、またすぐ武士に命じてこれを叩かれる。日本の政治は円心主義の連続だ。論理が表へ立たず道理が表へ立って明治になったところへ、君の好きなヨーロッパの知性という奴が這入って来たのだ。こ奴は分析力だから何もかも分析して、道理も感情も分析し始めたのが、大正昭和というところだ。分析すれば親も主人も有り難くなくなって、有り難いのは自分だけだ。ところが、その自分まで分析し始めて見ると、実につまらん自分だということが分って来たのだ。いったい何が有り難いのかさっぱり分らんというのが、つまり知識階級という人間だろう。僕らはこんな筈ではなかったのに、いつの間にか、こんなになってると気がついて、ふと見上げたところがこの国だ。ここには真の自由の精神があるだろうと思って、胸躍らせて来てみたのに、左翼と右翼の喧嘩以外に、まだ僕には見つからん。ああそれがあれば――」