Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans
樹の幹の間で毬を奪い合っている子供の群れの中を通り、編物をしている老婆たちの間をぬけ、左方のベルレーヌの立像のある方へ繁みを廻っていった時、背を見せた真紀子はベンチにかけて手帳に何かを書きつけていた。
「お待ちどお。」
久慈は何んとなく争いの支度をすませた気持ちで、どさりと身体を投げ出すように真紀子の横へ腰かけた。
「俳句よ、こんなのどうかしら。」
真紀子はにっこり笑いながらも久慈を見ず、眼を手帳に落したまま彼の方へ肩をよせて来て俳句を見せた。昨夜のことを一口も訊ねずいきなりこんなにして来る真紀子に、久慈は何ぜともなくたじろぎながら手帳を覗いた。
「とつくにの子ら眠りおり青き踏む――いいね。これは。」
久慈はこう云って後方にある廻転木馬や遊動円木の傍の乳母車の中で眠っている幼児を見たり、前方に拡がった美しい芝生を見たりした。このあたりだけ繁みが枝を空にさし交して下に青い空洞を造り、少し窪み加減のその芝生の中央にベルレーヌの像が立っていた。
「円木の揺れやむを見て青き踏む――」
手帳にはこんな句の他にも一つ、『人待てば鏡冴ゆなり青落葉』というのが消してあった。