Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans

Aozora Bunko

山の手省線の円鐶を貫く中央線のカーブが、その曲玉を二つ連ねた巴の線と同似形なのが面白かった。

「分って下すったですかね。僕が一度みそぎをしたいと思うのが。」と彼は笑って千鶴子に訊ねた。

千鶴子は答えかけては唇を慄わせたかと思うと、またそのまま黙ってだんだん青くなった。

「僕はあなたには、カソリックでいていただいていいんですよ。それはそうなんだけれども、もう少し云いたいのです。僕の家は自慢を云うわけじゃありませんが、むかし城を持っていたのです。ところが、カソリックの大友宗麟に滅ぼされたのですね。僕は何もそのためにカソリックを怨んじゃいないけれども、奇妙なことに、また話は飛びますがね、そのときの先祖の苦心を思うと、どういうものか、あなたがアメリカを廻って帰られるときに、御一緒だったという侯爵のことが浮んで来るのですよ。少し突然でどうもまた怪しまれそうだが、あなたの兄さんはただ侯爵侯爵とばかり仰言っていて、どの侯爵かつい分らずじまいでしたから、どなたですあの侯爵。一度お礼を云わなくちゃ。」

「田辺侯爵ですの。」と千鶴子は低い声で、このときもまだいやらしそうな眼つきだった。