Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans
女中と並んで坂を降りて行きながら、まさか宿たのむとは自分の小屋を宿に借せという意味ではなかろうと思った。六台もある寝台だから小屋で泊めても良かったが、それには毛布が足りなかった。また今は宿だけは別にする方が良かろうと思い、やはり彼は宿屋まで下っていった。
東向きの適当な八畳を撰んで置いてから、後は廊下の欄干に手をついて雪景を眺め、暫くまた千鶴子に時間を奪われる覚悟を決めるのだった。まだ彼は自分の探している部分の研究に手がかりのつかぬときだったので、実はもう二三日来るのを延ばしてほしかった。彼女の病後せっかく会う機会も、仕残した調べものの片付かぬ気がかりがあっては、襟首を掴まれた形で落ちつきが悪かった。いつかも一度彼は書き物に夢中になっているとき、茶を飲もうとして傍のインキ壺を湯呑と間違えたことがあったが、今日の場合も千鶴子にいま来られては、浮かぬ顔が続き、さぞ冷淡に見えることも多かろうと案じられた。しかし、もう千鶴子は出発してしまっているころだった。女人という母乳に来られれば、やはり自分にはギリシアや科学の研究は不似合だ、と矢代は苦笑しつつ、
「いま幾時。