Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひはかがやけり

日は輝けり

宮本 百合子

Lisez 日は輝けり (ひはかがやけり) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 76 445 caractères · 152 écrans

Aozora Bunko

「――郡!……?」

浩の脳裡を雷のように一条のものが走った。皆解った。庸之助の父親はここの郡書記をしているのであった。果して、拘引された者の一人として、杵築好親という名が、並べてある。浩は何だか変な心持になった。それは悲しいのでも、恐ろしいのでもない。苦甘いような感情が一杯になって、庸之助に何と云ったら好いのか、解らなかった。彼は新聞をもとのように畳みながら、だまっていた。

「見たか?」

「うん!」

「どうしたら好かろう……」

二人はそろそろと歩き出した。

正直そうな、四角い――目や鼻が几帳面に、あまりキッチリ定規で引いたようについていて、どこにも表情のない――庸之助の顔は、青ざめて引き歪んでいる。例の紺木綿の着物の衿に顎を入れて、体中で苦しんでいるらしい姿を見ると、大きな声で唄うように字を読みながら植えて行く、植字小僧のことを、浩は思い浮べた。

「杵築、杵築……好、好親!」と平気に、何事もなく植えられたのだ。変な感じは、一層強く彼の心に拡がったのである。

「親父は何にしろ、あまり敵を作るからね……」

庸之助は、僅かずつ前へ動いて行く足の先を見ながら、独言するように云った。