Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にほんのこころ
日本のこころ
中谷 宇吉郎
Lisez 日本のこころ (にほんのこころ) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 988 caractères · 16 écrans
これはアメリカへ渡ってからも、ずっとつづいていて、かなりの間よく表書は漢字で書いて来た。
日本の着物が気に入って、大島の揃いの着物と羽織とを作って時々着ていた。特に浴衣が好きで、夏になると、よく浴衣がけで素足に下駄をひっかけて、神楽坂の夜店を素見していたものである。後になって、オランダで述懐していたことであるが、夏の夜の浴衣がけの散歩くらい、日本の良さを示すものはないといっていた。
或る夕方、例によって、浴衣がけで神楽坂をぶらぶら散歩していたら、後から汚い仕事着の労働者がやって来た。そして「もしもし、西洋の旦那」といって、ディーケに呼びかけたことがあったそうである。これがディーケには、よほど気に入ったものとみえて、よくこの話をした。「日本という国はいい国だ。街の一番下層の労働者が、外国人を見た時、もしもし西洋の旦那とよぶような国は、世界中何処にもない」というのである。
これは正にそのとおりで、第一「西洋の旦那」というような巧い言葉は、外国語にはない。少くも英語や独逸語にはないように思われる、特に独逸などにはないようである。伯林での経験であるが、落葉の美しいツォーの公園を散歩していた時、五、六歳くらいの子供を連れた男に行きあったことがある。