Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かにのかい

日本の怪談(二)

田中 貢太郎

Lisez 日本の怪談(二) (かにのかい) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 80 664 caractères · 171 écrans

Aozora Bunko

が、鍛冶の母のことは云わなかった。

飯がすむと飛脚は、宿の主翁にこれから佐喜の浜へ廻る用事があるが、

「佐喜の浜には鍛冶屋があるだろうか」と、云って聞いてみた。

「あります、あります、庄という鍛冶屋があります」と、主翁が云った。

「其処に老人がいると聞いておるが、達者だろうか」

「老爺はもう死んで五六年になるが、老婆はまだぴんぴんしておりますが、その老婆という奴がみょうな奴で、息子の嫁をまぜだしたりして、村でもとおり者でございます」

飛脚は佐喜の浜の方へ往きながら、いくら根性まがりの老婆でも、人間が狼の仲間入りはしないだろう、……しかしそれにしても佐喜の浜の鍛冶の母を呼うで来いと云ったのは不思議である、もしや、鍛冶の母と云うのは狼の化けている者であるまいかと思った。もし化けているものなら、前夜確に額に斬りつけてあるから、どうかなっておらねばならぬのであった。

その日海には大きな波のうねりが見えて沖が蒼黒くなっていた。飛脚は海岸を歩いて往った。小さな坂の上で壮い漁師に逢ったので聞いてみた。

「私は佐喜の浜の鍛冶屋へ、馬の靴を打ってもらいに往きよるが、あすこのお婆さんは達者かな」