Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
Lisez 日本の文学 3 森鴎外(二) (あべいちぞく) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 68 545 caractères · 140 écrans
と声をかけていたが、佐渡は構わぬので、とうとう赤松の幹のような脚にすがった。「船頭さん。これはどうしたことでございます。あのお嬢さま、若さまに別れて、生きてどこへ往かれましょう。奥さまも同じことでございます。これから何をたよりにお暮らしなさいましょう。どうぞあの舟の往く方へ漕いで行って下さいまし。後生でございます」
「うるさい」と佐渡は後ろざまに蹴った。姥竹は舟に倒れた。髪は乱れて舷にかかった。
姥竹は身を起した。「ええ。これまでじゃ。奥さま、ご免下さいまし」こう言ってまっさかさまに海に飛び込んだ。
「こら」と言って船頭は臂を差し伸ばしたが、まにあわなかった。
母親は袿を脱いで佐渡が前へ出した。「これは粗末な物でございますが、お世話になったお礼に差し上げます。わたくしはもうこれでお暇を申します」こう言って舷に手をかけた。
「たわけが」と、佐渡は髪をつかんで引き倒した。「うぬまで死なせてなるものか。大事な貨じゃ」
佐渡の二郎は牽を引き出して、母親をくるくる巻きにして転がした。そして北へ北へと漕いで行った。
――――――――――――
「お母あさまお母あさま」