Classiques japonais avec furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Lisez 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) de 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 152 306 caractères · 300 écrans
そんな病気どすよって。田舎というのは京から二、三里離れたお百姓の家どす。私の弟の家どすさかい、そこの嫁はんが、ほん深切にしてくりゃはりますよって」
「二、三里の田舎じゃ、あんまり遠い家でもありません」
「私も、二、三日前にちょっと行って来たきり、こちらの御隠居さんが病院に入ろうかどうしようかいうてはりますくらいで、少しも手が引けませんよって、一遍あとの様子を見に行かんならん思うてもまだ、あんたはん、よう往かれまへんがな。私も、あんたはんがおいでやしたんで、今家を黙って出て来ましたよって、早う去なんと、年寄りの病人さんが、用事があるといけまへんさかい……」
母親は鼻声で、あっちもこっちも心のせくように言う。私は一層同情に堪えない心持で、
「いくら、あんた、親類に預けて安心だといって、一人の親が一人の娘の病気の世話をしないで、よその他人の介抱に雇われているということがあるものですか。まあ、今ここで委しい話も出来ませんから、何とか繰り合わして暇ができたら、お母はん一遍今度の私の宿まで来て下さい。そして、もっとくわしい病気の様子も訊きたいし、いろいろな御相談もしましょう」