Classiques japonais avec furigana
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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
Lisez 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 154 771 caractères · 313 écrans
細川の先鋒長岡佐渡等の一隊は、四方に四郎時貞を求め探した。その士陣佐左衛門は、火煙をくぐって石塁中に入って見ると、一少年の創を受けて臥床するのを発見した。一女子傍に在って嘆き悲んで居る。佐左衛門躍り込んで少年の首を斬って出ようとすると、女が袖を放さない。三宅半右衛門が来て、その女をも斬った。
忠利、少年の首は時貞のであろうと信綱の見参に入れた。時貞の母を呼んで見せると、正しく時貞の首であった。
かくて籠城以来、本丸に翻って居た聖餐の聖旗も地に落ちて、さしもの乱も終りを告げたのであった。
これより先、寄手の放った弾丸が、原城中の軍議の席に落ちて、四郎を傷けたことがある。城兵は、四郎を天帝の化身のように考え、矢石当らず剣戟も傷くる能わずと思っていたのに、四郎が傷いたので、彼等の幻影が破れ、意気頓に沮喪したと云われる。
幕軍は、城中に在ったものは老幼悉く斬って、その首を梟した。
天草の乱平ぎ、切利支丹の教えは、根絶されたと思われた。
しかし、こぼれた種は、地中にひそんで来ん春を待っていた。
明治初年信教の自由許され、カソリック教の宣教師が来朝し、長崎大浦の地に堂宇を建てて、朝夕の祈祷をしていると、どこからともなく集って来た百姓が、宣教師の背後に来て、しずかに十字を切った。