Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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やせがまんのせつ

明治十年丁丑公論・瘠我慢の説

福沢 諭吉

Lisez 明治十年丁丑公論・瘠我慢の説 (やせがまんのせつ) de 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 24 663 caractères · 48 écrans

Aozora Bunko

を引き、今後期するところは士族に固有する品行の美なるものを存して益これを養い、物を費すの古吾を変じて物を造るの今吾となし、恰も商工の働を取て士族の精神に配合し、心身共に独立して日本国中文明の魁たらんことを期望するなり。

然りといえども、その消極を想像してこれを憂うれば、また憂うべきものなきに非ず。数百年の間、上士は圧制を行い、下士は圧制を受け、今日に至てこれを見れば、甲は借主のごとく乙は貸主のごとくにして、未だ明々白々の差引をなさず。また上士の輩は昔日の門閥を本位に定めて今日の同権を事変と視做し、自からまた下士に向て貸すところあるごとく思うものなれば、双方共に苟も封建の残夢を却掃して精神を高尚の地位に保つこと能わざる者より以下は、到底この貸借の念を絶つこと能わず。現に今日にても士族の仲間が私に集会すれば、その会の席順は旧の禄高または身分に従うというも、他に席順を定むべき目安なければ止むを得ざることなれども、残夢の未だ醒覚せざる証拠なり。或は市中公会等の席にて旧套の門閥流を通用せしめざるは無論なれども、家に帰れば老人の口碑も聞き細君の愚痴も喧しきがために、残夢まさに醒めんとしてまた間眠するの状なきにあらず。