Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
むかしのかじ
昔の火事
宮本 百合子
Lisez 昔の火事 (むかしのかじ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 494 caractères · 21 écrans
こんな皿は、こわれ易いんだからね。まだ上薬がかかってないだろ。大昔の皿はみんなこんなのさ。工業はまだすすんでいなかった証拠だよ。
一旦見てしまうと堪能すると見えて、同じ子供がくりかえして来るということは稀である。なかに一人、鞄をどこかへおいてから又やって来て、井上たちの引上げる頃までいる少年が、井上の目をひいた。君、何年? 五年。何ていうの? 辰太郎。この辰太郎は無口で、だんだん掘る仕事の手つだいもするようになった。かえりのバスの中で中学生がふっと井上に云った。あの辰太郎って子ね、何だか寂しそうな子ですね、僕そう感じるな。服装は大してわるくないし、お八ツ時分、井上が角の大福屋へ汁粉をのみにさそっても、余りついて来ない。
この辰太郎が猛之介の孫で、養子であった生みの父親は、財産のことで猛之介と大衝突して、七八年前家を出てしまっていることを知ったのは、もう夏に入ってからであった。
縮のシャツの背中を汗でじっとりにして、掘り初めの時分から見ると、すっかり日やけのした井上が、夏の日永を一刻も惜むようにして働いている。辰太郎が運動パンツに跣足でわきにくっついて、シャベルを動かしている。