Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 663 caractères · 97 écrans
松村彦太郎、好い年をして馬鹿な奴だと、相手に腹を見られるのも残念である。なんとか巧い掛け合いの法はあるまいかと工夫を凝らしたが、問題があまり単純であるだけに、横からも縦からも話の持って行きようがなかった。
西江戸川端の屋敷には主人の小幡伊織が居合わせて、すぐに座敷に通された。時候の挨拶などを終っても、松村は自分の用向きを云い出す機会をとらえるのに苦しんだ。どうで笑われると覚悟をして来たものの、さて相手の顔をみると、どうも幽霊の話は云い出しにくかった。そのうちに小幡の方から口を切った。
「お道はきょう御屋敷へ伺いませんでしたか」
「まいりました」とは云ったが、松村はやはり後の句が継げなかった。
「では、お話し申したか知らんが、女子供は馬鹿なもので、なにかこのごろ幽霊が出るとか申して、ははははは」
小幡は笑っていた。松村も仕方がないので一緒に笑った。しかし、笑ってばかりいては済まない場合であるので、彼はこれを機に思い切っておふみの一件を話した。話してしまってから彼は汗を拭いた。こうなると、小幡も笑えなくなった。かれは困ったような顔をしかめて、しばらく黙っていた。