Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 663 caractères · 97 écrans
「お吉が変な目付きをしたんで、野郎すっかり固くなって用心しているようだから、きょうはとても駄目だろう」と、半七は云った。
熊蔵は忌々しそうにささやいた。「なにしろ、あの二品をどうするか、私がよく気をつけています」
「もう一人の奴というのはまだ来ねえんだね」
「きょうはどうしたか遅いようですよ」
「なにしろ気をつけてくれ、頼むぜ」
半七はそれから赤坂の方へ用達に廻った。初春の賑やかな往来をあるきながらも、彼は絶えずこの疑問の鍵をみいだすことに頭を苦しめたが、どうも右から左に適当な判断が付かなかった。
「まさか魔法使いでもあるめえ。あんな物を持ち廻って、何か祈祷か呪いでもするか、それとも御禁制の切支丹か」
黒船以来、宗門改めも一層厳重になっている。もしかれらが切支丹宗門の徒であるとすれば、これも見逃がすことは出来ない。どっちにしても眼を放されない奴らだと半七はかんがえていた。赤坂から家へ帰って、その晩は無事に寝る。と、あくる朝のまだ薄暗いうち、かの湯屋熊が又飛び込んで来た。
「親分、大変だ。大変だ。あいつらがとうとう遣りゃがった。こっちの手遅れで口惜しいことをしてしまった」