Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 663 caractères · 97 écrans
へへへへへ」
余程ひどく踏み倒したと見えて、番頭はその引き取り値段を云わなかった。半七の方でも訊かなかった。それにしても彼の武士が持って来るものは、どれもこれも変なものばかりである。第一に干枯びた人間の首、奇怪な動物の頭、それからこのきたない泥鮫の皮……。どうしてもこれには仔細がありそうに思われた。
「いや、どうもお邪魔をしました」
小僧が汲んで来た番茶を一杯飲んで、半七は会津屋の店を出た。それからすぐに愛宕下の湯屋へゆくと、熊蔵は待ち兼ねたように飛び出して来た。
「親分、きのうの若けえ野郎は先刻ちょいと来て、又すぐに出て行きましたよ」
「なにか抱えていやしなかったか」
「なんだか知らねえが、長っ細い風呂敷包みを持っていましたよ」
「そうか。おれは途中でそいつに逢った。そこでもう一人の方はどうした」
「背の高い奴はきょうも来ませんよ」
「じゃあ、熊。気の毒だがその伊勢屋とかいう質屋へ行って、金のほかに何を奪られたか、よく訊いて来てくれ」
こう云い置いて二階へあがると、火鉢の前にお吉がぼんやり坐っていた。半七が二日もつづけてくるので、彼女もなんだか不安らしい眼付きをしていたが、それでも笑顔を粧って愛想よく挨拶した。