Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 663 caractères · 97 écrans

Aozora Bunko

四

「あれが連れの奴か」と、半七が小声で訊くと、熊蔵は眼でうなずいた。

「親分、どうしましょう」

「まさか、いきなりにふん縛るわけにも行くめえ。まあ、ここへ上がって来たら、てめえがなんとか巧く云って連れの武士のことを訊いてみろ。その返事次第でまた工夫もあるだろう。なにしろ相手が武士だ。無暗に振りまわされるとあぶねえから、その大小はどこへか隠してしまえ」

「そうですね。誰か加勢に呼びましょうか」

「それにも及ぶめえ。多寡が一人だ。何とかなるだろう」と、半七はふところの十手を探った。

二人は息を嚥んで待ち構えた。

四

「いや、馬鹿なお話ですね」と、半七老人は笑いながらわたしに話した。

「今考えると実にばかばかしい話で、それからその武士のあがって来るのを待っていて、熊蔵がそれとなくいろいろのことを訊くと、どうもその返事が曖昧で、なにか物を隠しているらしく見えるんです。わたくしも傍から口を出してだんだん探ってみたんですが、どうも腑に落ちないことが多いんです。こっちももう焦れて来たので、とうとう十手を出しましたよ。いや、大しくじりで……。はははは。なんでも焦っちゃいけませんね。