Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 663 caractères · 97 écrans

Aozora Bunko

つまり仏寺に参詣とか親戚を訪問とかいう名義で、仇のゆくえを尋ねあるくことを許されたのである。弟はありがたき儀とお礼を申し上げて、兄の遺骨をたずさえて江戸を出発した。

関係者の梶井と高島とは、遊里に立入って身持よろしからずというのでお叱りを受けた。殊に当夜刃傷のみぎり、相手の神崎を取り逃がしたるは不用意の致し方とあって、厳しいお咎めを受けた。しかもその過怠として仇討の助太刀を申し付けられた。但し他国へ踏み出すことはならぬ。江戸四里四方を毎日たずねあるいて、百日のあいだに仇の在所をさがし出せというのであった。

仇の神崎が果たして江戸に隠れているかどうかは疑問であったが、この厳命を受けた彼等は毎日暁六ツから屋敷を出て夕六ツまで江戸中を探し歩かなければならなかった。はじめの十日ほど正直に根好く江戸中を歩きまわっていたが、この難儀な役目には彼等もだんだんに疲れて来た。しまいには二人が相談して、毎朝いつもの時刻に屋敷の門を出ながら、そこらの水茶屋や講釈所や湯屋の二階にはいり込んで、一日をそこに遊び暮すという横着なことを考え出すようになった。きのうは浅草の盛り場へ行ったとか、きょうは本郷の屋敷町をまわったとか、屋敷の方へは好い加減の報告をして、彼等はどこかで毎日寝転んで遊んでいた。