Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(一)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 663 caractères · 97 écrans

Aozora Bunko

人間の首と龍の頭とを抱えて、若い男と女とは何処へさまよって行ったか。思えばおかしくもあり、哀れでもあり、実に前代未聞の道行というのほかはなかった。

「今でこそ話をすれ、その時にはわたくしも引っ込みが付きませんでしたよ」と、半七老人は再び額を撫でながら云った。「なまじ十手を振り廻したり何かしただけに猶々始末が付きませんや。でも、梶井という武士も案外捌けた人で、一緒に笑ってくれましたから、まあ、まあ、どうにか納まりは付きましたよ。片方の高島という武士はそれぎり屋敷へ帰らなかったそうです。お吉も音沙汰がありませんでした。二人は道行を極めて、なんでも神奈川辺に隠れているとかいう噂もありましたが、その後どうしましたかしら。肝腎のかたき討の方は、これもどうなったか聞きませんでしたが、梶井という人は国へも追い返されないで、その後にも湯屋の二階へときどき遊びに来ました。質屋へはいった浪人はまったく別物で、それは後に吉原で御用になりました。明治になってから或る人に訊きますと、そのおかしな人間の首というのは多分木乃伊のたぐいだろうという話でしたが、どうですかねえ。なにしろ、よっぽど変なものでした」