Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 663 caractères · 97 écrans
「小柳という奴は、よくねえ女だということは、おれも前から聞いていたが、まるで一つ家のばばあだな。それからどうした」
「その晩すぐ近所の山女衒を呼んで来て、潮来へ年一杯四十両ということに話がきまりました。安いもんだが仕方がないというんで、あくる朝、駕籠に乗せて女衒と一緒に出してやりましたが、その女衒の帰らないうちは一文もこっちの手にはいらない。なにしろもう十二月の声を聞いてからは、毎日のようにいろいろの鬼が押し寄せてくる。苦しまぎれに小柳は又こんなことを考え出したのです。娘を潮来へやるときに、売物には花とかいうんで、着ていた黄八丈を引っぱがして、小柳のよそ行きと着換えさせてやったもんですから、娘の着物はそっくりこっちに残っている」
「むむ。その黄八丈の着物と藤色の頭巾で、小柳が娘に化けて菊村へ忍び込んだな。やっぱり金を取るつもりか」
「そうです」と、金次はうなずいた。「金は手箱に入れておふくろの居間にしまってあるということは、娘をおどして聞いて置いたんです」
「それじゃあ始めからその積りだったんだろう」
「どうだか判りませんが、小柳は苦しまぎれによんどころなく斯んなことをするんだと云っていました。