Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 663 caractères · 97 écrans
それにしても、その小柳という奴を早く引き挙げてしまわなけりゃならねえ。女でも生けっぷてえ奴だ。なにをするか知れねえから、誰か行って半七を助けてやれ」
物馴れた手先ふたりが半七を先に立てて再び両国へむかったのは、短い冬の日ももう暮れかかって、見世物小屋がちょうど閉ねる頃であった。二人は外に待っていて、半七だけが小屋へはいると、小柳は楽屋で着物を着替えていた。
「わたしは神田の吉五郎のところから来たが、親分がなにか用があると云うから、御苦労だがちょっと来てくんねえ」と、半七は何げなしに云った。
小柳の顔には暗い影が翳した。しかし案外おちついた態度で寂しく笑った。
「親分が……。なんだか忌ですわねえ。なんの御用でしょう」
「あんまりおめえの評判が好いもんだから、親分も乙な気になったのかも知れねえ」
「あら、冗談は措いて、ほんとうに何でしょう。お前さん、大抵知っているんでしょう」
衣装葛籠にしなやかな身体をもたせながら、小柳は蛇のような眼をして半七の顔を窺っていた。
「いや、おいらはほんの使い奴だ。なんにも知らねえ。なにしろ大して手間を取らせることじゃあるめえから、世話を焼かせねえで素直に来てくんねえ」