Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(三)

岡本 綺堂

Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 612 caractères · 405 écrans

Aozora Bunko

まあ、お聴きなさい、こんな奴もありますよ」

云いかけて老人は笑いながら私の顔を見た。

「あなたは甘酒はどうです」

「子供のときに飲んだきりですが……」と、わたしも笑った。

「あれは江戸の夏のものですよ。固練りのいいのを貰ったのがあります。息つぎに一杯あっためさせますから、あなたもお附き合いなさい」

「久し振りで御馳走になりましょう」

三

あま酒で元気をつけて、半七老人は団扇の手を働かせながら又話し出した。

「あれはたしか文久三年とおぼえています。なんでも六月の末でした。新宿の新屋敷……と云っても、今の若い方々は御存知ないかも知れませんが、今日の千駄ヶ谷の一部を俗に新屋敷と唱えまして、新屋敷六軒町、黒鍬町、仲町通りなどという町名がありました。いつの時代にか新らしい屋敷町として開かれたので、新屋敷という名が出来たのでしょう。その辺には大名の下屋敷、旗本屋敷、そのほかにも小さい御家人の屋敷がたくさんありまして、そのあいだには町屋もまじっていましたが、一方には田や畑が広くつづいていて、いかにも場末らしい寂しいところでした。

前にも申す通り、六月末の夕方、その仲町通りの空屋敷の塀外に人立ちがした。